眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで
https://gyazo.com/0940183db8281de5ac74c3cc8459fd07
「眠り」は、人々にとって生きていく上で欠かせないだけでなく、芸術家たちの創造を駆り立ててもきました。本展では、国立美術館所蔵の絵画、版画、素描、写真、立体、映像など、幅広いジャンルの作品約120点によって、「眠り」がいかに表現されてきたか、それが私たちに投げかけるものは何かを探ります。
「眠り」をテーマに生み出されたアートは、起きている時とは異なる視点で、私たちの日常の迷いや悩みに対するヒントを与えてくれるでしょう。
ものすごくボリュームのある展示会だったakix.icon
撮影禁止の作品はほとんどなかったので、気になったものを撮っておいた
撮影した作品のうち、特に個人的に気になった作品をこのページでピックアップ
このページに掲載してるのは、ほんの一部かつakix.iconが強い興味を持った作品のみなので、少しでも気になる人は国立近代美術館へ行った方がよいです
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序章 目を閉じて
最初のブースなのに、いきなりスキップしてしまった
最後に再入場でもう一度見たので後述
第1章 夢かうつつか
人は、夢と現実を行き来しながら生きています。そして時には、夢と現実のはざまの「夢かうつつか」はっきりしない状態になることがあります。 眠りは、夢と現実、あるいは非現実と現実をつなぐものであり、それらの連続性の中に存在するのです。
https://gyazo.com/b79e9cd3052292b6537a4efe66e5b61f
オディロン・ルドン
「ゴヤ讃」のシリーズ
暗くて陰鬱で不安感のある絵が並んでいた
本当は序章でルーベンスなどの美しい「眠り」からスタートしてる展示会なのに、いきなり悪夢スタートみたいな展開になってしまった
https://gyazo.com/99e3e7550dd4813df53f28d6619e2814
「half awake and half asleep in the water」シリーズより
画面半分が水で覆われている写真群
写真のモチーフは海・海水浴客・港など知ってるものばかりなのに、不安感がすごい
大学時代に合宿で海に行った時に沖に流されかけて死にかけたのを思い出した
外国人サーファーに「hey boy!」と言われてサーフィンボードに乗せてもらって助かった
あの時の海に沈みかかってる時の視界がちょうどこんな感じだった
第2章 生のかなしみ
永眠という言葉があるように、眠りは死に喩えられます。眠りは生きる上で必要なものでありながら、その裏側には死が存在するのです。本章の表題にある「かなしみ」には、「悲しみ」だけでなく「愛(かな)しみ」という、死と隣り合わせにありながらも懸命に生きようと生をいとしむ前向きな意味合いが含まれます。そんな生のかなしみを思う表現をご紹介します。
https://gyazo.com/36c727e6b2cf658b20112b5891b2c4c0
Pillows
すごくふわふわ感のある枕で気持ちよさそうだった
飛び込みたくなる
解説文を読むと枕に眠る人がおらず、不在を見つける画家の視線があり、死が示唆されていると書いてあった
メメント・モリより爆睡できそう、気持ちよさそう、という気持ちが先行してしまった たぶん私にはまだ死が遠いのだとポジティブに捉えたい
https://gyazo.com/f91979bc341dcab1f586402ae4b58114
抗生物質と子音にはさまれたアインシュタイン
存在感がすごい
直感的に死体だなと思った
セメントなどで構成されているので、当然死体ではない
セメントなので無臭だが、今にも腐敗臭が匂い立ちそうな作品に感じた
しばらく目が離せなかった
強烈に記憶に残ってる作品で、今日見た中で一番衝撃が強かったかもしれない
この横で塩田千春のインスタレーションのビデオ映像が流れていて、鉄琴みたいなカコーンという音が響いてるのも良かった https://gyazo.com/ac150d63a6d3dba8280937d0f626a689
死者のための枕
ちっこくてかわいい
透け透け
繊細ですぐにも壊れそうな枕を機能させるのは、死体ではなく魂の枕なのかな、とか色々感じてしまった
第3章 私はただ眠っているわけではない
単に眠っているだけに見える人物像でも、描かれた当時の時代背景などの文脈を加えたり、現代の状況に重ね合わせることで、異なる意味が引き出されることがあります。
https://gyazo.com/73ce774aa13eec1c4af784e6cb87cf74
美わしき繭
寂寥感のある世界にパカッとビビッドな繭があり、見知らぬ田舎でお婆ちゃんが農作業してる様子が見える作品
遠くにうっすら大都市も見えるのに、全部の文脈を無視してお婆ちゃんが出てくる唐突感がすごく好きだった
https://gyazo.com/752c348a1d55ab629c01d7aca4379d4f
戒厳状態
都市のスキマみたいな空間でお祭り騒ぎが瞬間的に発生したような作品
ビビッドな色合いと馬も鶏も女の人もハジケてるのが良い感じだった
烈火の季節/なにものかへのレクイエム(MISHIMA)
「烈火の季節」は歴史上の人物のパロディをする作品
三島由紀夫の演説のフォーマットで芸術に対して内容があるようなないような演説をぶちまける
最後に森村の後ろから聴者側にパンした時に、ただののどかな公園で誰も話を聞いてないのが分かるという映像構成で面白かった
最後のオチに行く前にみんな退室してたのがもったいない
第4章 目覚めを待つ
眠りの後には目覚めが訪れます。現在眠っているものでも、将来的な目覚めを期待させるのです。芸術家たちの作品の中に見て取ることができる、目覚めにまつわる表現をご紹介します。
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関係─種子、土、水、空気
以下が説明されてる解説を読まないと意味が分からない作品だった
壁にかかっている鉛の板には、30種類の植物の種子が閉じ込められている
種子の成長に必要な土・水・空気が、それぞれ真鍮・銅・アルミの管に閉じ込められている
作者がチェルノブイリ原発事故に触発されて種子を保護する作品を発表してきた
たしかに種子や空気が入ってそうな金属ではあるものの
本当に開けてみるまで中に何が入ってるかは分からない(所有者でもない人が壊すわけにもいかない)ので、そういう意味での不信感・不安感を覚えた作品だった
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ファイル・ルーム
書類の山の写真が沢山飾られている
と思ってよく見ると、写真ではなく本の表紙になっている
本の中身がどうなってるのか気になって気になってしょうがなかった
手にとって開いてみたくなってしまった
第5章 河原温 存在の証しとしての眠り
戦後美術を代表する芸術家の一人である河原温(1932-2014年)の作品を通じて、眠りと目覚め、生と死との関係性について探ります。
https://gyazo.com/5406ddf6e1d0e1d0304e6c1548dd4ea5
https://gyazo.com/292f6ec806c54b0bc7a627c7b1b08ac2
作品タイトルのメモを取り忘れた
3日坊主の私でも1行ぐらいなら日記続きそうで良いなと思った
曜日で縦に溶けている月次カレンダーは意味が分からなくて面白かった
終章 もう一度、目を閉じて
アートにおける「眠り」、目を閉じる表現は、実に大きな意味の広がりを持っています。単に眠っている(目を閉じている)ように見える人物像であっても、そこには違う意味合いが感じられるようになるでしょう。目を閉じることは、他者の視線に身を任せることを意味する反面、自らの来し方・行く末を思い、静かに瞑想する機会を与えてくれます。目を閉じる人が描かれた作品を前にした私たちにも、これまでの日常を振り返り、これからをいかに過ごすかを考えるためのヒントがもたらされるはずです。
https://gyazo.com/6e3b7de9d0dcf0437e3dfda9acd24e9e
ミョボン
柔和な女性が瞳を閉じている様子
穏やかな気分になれる
と思ったら、これは僧侶を描いたものらしい
https://gyazo.com/28bb83cce892e070a7be0a91538f0254
貧しき漁夫
解説で以下を知った
本人の代表作「貧しき漁夫」(1881年、オルセー美術館)のヴァリアント(バリエーション) 横長の構図が縦長になり、画面右の女性が消え、地面に横たわる子供が船の上に移動した
少し寂寥感があるものの、まったりした空気を感じる
序章 目を閉じて
眠りは、目を閉じることから始まります。眠ること、目を閉じることは、いかにも無防備で頼りない行為に思えるかもしれません。一方で目を閉じることは、自己の内面と静かに向き合うことを導きます。
もう一度再入場して、見落とした序章を見に行った
https://gyazo.com/694c2b6ee150bf4c767250ab2cef7f60
横たわる裸婦(夢)
初めて藤田嗣治の作品の実物を見たような気がする
柔らかい雰囲気かつ猫が可愛い
額縁がゴージャスだなと思った
https://gyazo.com/543df114dbdbcec3041e0f7ce99c57f9
眠る二人の子供
ほっぺたぷにぷにしたくなる作品
ルーベンスと聞くと「パトラッシュ、僕はもう疲れたよ」を思い出してしまう
死ぬ前に見る絵というよりは、むしろ生を感じる
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https://gyazo.com/bf1f7e5b68b19fac6c268750f29430e9
全体の感想
「眠り」をテーマにしてるのでメメント・モリがテーマの作品も多いかなと思ったら、やはりそうだった 枕だったり海だったり、見慣れたもので死を示唆する作品に驚いた
一番衝撃的だったのは荒川修作の作品で、セメント作品なのに匂い立つ死から目を背けられず、ずっと見つめたり角度を変えたり、とにかくその場から離れられなかった
コロナ禍になってから初めて行った展示会だったが、今だからこそ見られてよかった展示会であったようにも思う